そんな中で、世界を相手に成功している例をみてみましょう。「ハローキティ」です。現在取引している国109ヵ国。ライセンスによるビジネスで、サンリオは営業利益約150億円を稼ぎ出しています。その成功の秘訣は何だったのでしょうか?ここでは「キティちゃん」がキャラクターとしての力があったということは置いておきます。

 今年5月にオンエアーされたNHKスペシャルの『追跡!世界キティ旋風のナゾ』では中東や欧州、北米での調査を通して判明した購入動機の第一位は「ピンクだから」というものでした。

 しかし、ここで注目したいのが、「サンリオ」のライセンス戦略です。海外向けのデザイン戦略を練るイタリアのデザインルームでは、その地域のニーズに合わせたデザインに取り組むスタッフの姿がありました。そこには、「嗜好・志向・指向」を探り、試行錯誤を繰り返す姿がありました。

 海外で日本のキャラクターがもてはやされるから、といって単純に、海外の代理店にキャラクターの売り込み依頼をしても成功はしません。その国の人の話をよく聴き、ニーズを探ることができる体制づくりが不可欠です。

 世界で将来的に活躍できる若い企業を育てていくことが必要でしょう。企業が自由に世界で活躍できるような舞台を日本全体で作り上げるべきでしょう。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)