昨今、地域振興を目的としたビジネスプランコンテストが各地で開催されています。これは、地域において新しい産業を創出するためのアイデアを広く募集することで、地域経済を活性化させるための起爆剤とすることを狙いとしています。

 典型的なコンテストのタイプとしては、地域において新事業を創出する担い手となる人材、すなわち「創業人材」を地域に誘致することを狙いとするものがあげられます。この創業人材には、地方で生まれ育った人が都心で一度勤務した後に再び自分の故郷に戻って働く「Uターン人材」だけでなく、生まれ育った場所以外の地方に転居、就職する「Iターン人材」も含まれ、こうしたUIターン人材の定住促進を図ることで地域活性化を図ろうとするものです。

 一方で、地域の大学などで行われるビジネスプランコンテストでは、学生が地域活性化につながるような事業を企画する起業家教育や、学生が地域産業振興策を考える機会をつくる地域教育などといった学生への教育の一環として位置づけられます。学生が発案するビジネスプランは必ずしも自らによる起業を要件とはしておらず、地域の企業や行政などに学生の発案する若者ならではの自由な発想を聞いてもらい、新産業や新事業創出の参考にしてもらう「アイデア提供」が狙いとなります。

 このように、ビジネスプランコンテストによる地域振興は様々な形で行われているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)