人口減少などの課題を抱える地域の中小企業にとって、地域資源を活用することが求められています。

 2007年には「中小企業地域資源活用プログラム」が創設され、地域資源の活用によって各地域の産業発展となるような新事業を創出することが目指されるとともに、「中小企業地域資源活用促進法」が制定され、地域に新しい産業の芽を育てていこうという内生的な取組みを応援する仕組みができあがりました。

 「中小企業地域資源活用促進法」においては、地域資源を3つに区分して定義しています。1つ目は地域の特産物として相当程度認識されている農林水産物または鉱工業品です。2つ目は特産物となる鉱工業品の生産にかかわる技術です。3つ目は地域で相当程度認識されている観光資源です。

 こうした地域資源の定義に基づき、地域資源を活用した中小企業の取り組みは、地域の農林水産品を蓄積された技術・技法で加工する「農林水産型」、鉱工業品関連企業の集積により蓄積された技術・技法を用いる「産地技術型」、自然や文化財などの観光資源を活用して事業を展開する「観光型」に大別されます。

 地域資源は上記法律の定義に限定されるものではありません。その地域に存在し、地域の強みとして経済的な価値を生むものは幅広く地域資源と捉えることができます。そして重要なことは、地域として当たり前に存在すると思われていたものを価値あるものとして捉えなおすことができるかどうかという「地域資源への新たな気づき」をもつことにあるのです。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)