(前編からのつづき)

 また、同特例は、住宅ローン控除との併用適用もできます。
 住宅の買換えについては、含み損を抱える世帯は譲渡損失が大きな障害となっており、特に、地価が高騰したバブル期に住宅を取得した人は多額の含み損を抱えていることが多いとされております。
 同特例は2013年12月末が適用期限でしたが、適用実績が2010年は9,995件、2011年は9,134件と一定件数あり、円滑な住みかえを促進する観点からも延長が決まったとみられております。

 一方、「特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の特例」とは、個人が所有期間5年を超えるマイホームを譲渡して譲渡損失があるときは、マイホームに係る住宅ローン残高から譲渡価額を控除した残額を限度に、損益通算しても控除しきれない金額は、その年の翌年以後3年間の繰越控除ができる制度です。
 この特例は、新たなマイホーム(買換資産)を取得しなくても、マイホームに係る譲渡損失について、損益通算及び繰越控除ができる制度です。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成26年4月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。