平成25年度に査察調査で最も多く告発を受けた業種は「クラブ・バー」でした。
 査察部、いわゆる「マルサ」が平成25年度に告発した数を業種別に見ると、「クラブ・バー」の12件が最悪。「不動産業」9件、「建設業」「情報提供サービス業(出会い系サイトや競馬・パチンコ情報の商材販売)」「保険業」の各5件が続きます。

 「クラブ・バー」は、23年度は5件で「運送業」と〝同着6位〟、24年度は「情報提供サービス」と並んで11件で最多でしたが、今回は単独でワーストとなりました。ホステスへの報酬について源泉徴収をしていたにもかかわらず、税金を納めないケースが多かったようです。

 そのほか、不動産販売にかかる売上と仕入の両方を除外する方法で取り引きそのものを隠していた不動産業者、関係会社に対して架空の外注費を計上していた建設業者、所得を一切申告していなかった情報提供サービス業者、架空の接待交際費を計上していた保険業者などが告発されています。

 平成25年度に査察部が処理した案件は185件で、そのうち告発分は118件(告発率63.8%)でした。処理事案の脱税総額は144億5800万円、1件あたりでは7800万円。告発分は117億3100万円、1件あたり9900万円でした。
 告発事案1件あたりの脱税額が1億円を下回るのは35年振り。リーマン・ショックで会社や個人の利益が少なくなった影響がうかがえます。そうはいっても、脱税額が3億円以上は4件、そのうち5億円以上は2件と、多額の資金を隠し持っていた人も存在しました。
<情報提供:エヌピー通信社>