不動産投資のために借入を検討しているお客様がいらっしゃいます。

すでにマンション1棟を所有していてメインの取引銀行もあるのですが、

今後を見越して新しい取引銀行を開拓されていらっしゃいます。


そんな中、某リース系銀行に話を聞きにいったときのお話です。


その銀行のチーフ級の方は、

決算書を見るなり「これでは貸せない」と相談を一蹴したそうです。

社長のお話しでは「銀行借入残高÷税引後利益」で計算した年数が80年を

オーバーしているのが原因と言われた、とのことでした。


話を聞いて私は「それは完全な誤りです」と社長にお伝えしました。


決算数字から理論的に返済可能年数を計算する場合は

「銀行借入残高÷(税引後利益+減価償却費)」で計算するのが一般的です。

さらにその期は臨時の経費が発生して利益を圧縮していたので、

減価償却費と適正利益で計算した年数は23年になることをご説明しました。

この年数は、既存の借入額の返済期間とぴったり一致します。


その銀行は事業資金の融資をあまりやっていない印象なので、

チーフ級の方も決算書の見方を知らないのかもしれません。

私の考えをお話しすると、社長はとても安心されていました。

早速、別の銀行を探してみるとおっしゃっていました。


「銀行員」と聞くと、おカネのプロ、の印象があるので

言ってることは何でも正しいと思いがちですが、

会社も個人もレベルはまちまちです。

誤った情報に振り回されないように、

経営者も多少の知識は必要なんだと思います。