札幌市豊平区の 税理士 溝江諭(みぞえさとし) です。

Sandiego Zoo CA

 一昨年(2007年)夏のアメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機は、昨年9月のリーマンショック以後、瞬く間に世界中の金融機関をその渦に飲み込んだだけではなく、世界中の現物経済にまで甚大な影響を及ぼし、現在では世界同時不況の様相さえ呈しています。わが国も例外ではなく、金融機関の貸出抑制をもたらし、上場企業の倒産は過去最悪を記録、さらに中小企業では業況の悪化が追い討ちをかけ、顕著な「資金不足」が深刻化してきました。この状況に対し、政府は中小企業向けに「緊急保証制度」と「セーフティネット貸付」を取り急ぎ整備し、これに備えました。既にこれらを利用された企業をはじめ、これからの利用を検討している企業もたくさんあることでしょう。

 そこで今回は信用保証協会の保証制度を利用する際の注意点について見てみましょう。

 今回の緊急保証制度では信用保証協会の100%保証が利用できることとなりました。どのようなことかと言いますと、借主が借入を返せなくなったときに、信用保証協会が借主に代わり金融機関に対し全額代位弁済するということです。今までは80%保証だったので、金融機関は20%部分は自己責任で融資決定をする必要があったのですが、今回の100%保証では金融機関の自己責任部分が0%すなわち一切なくなったことを意味します。それだけ、金融機関は中小企業に融資しやすくなるわけです。
 一方、借りる側の中小企業も借入できるチャンスが増えるわけですから良いことづくめのように感じられるかもしれませんが、注意しなければならないことがあります。

 それは企業が借入を返済できなくなり、信用保証協会の代位弁済を受けたときに起こります

 代位弁済により企業の債務が無くなるわけではありません。債務の相手先が「借りていた金融機関」から「代位弁済した信用保証協会」へ移るだけなのです。信用保証協会はこのあとどのような行動を取るのかというと、直接の債務者である企業や連帯保証している保証人へ返済を求めてくることになります。

 その際に「信用保証協会は基本的に債権放棄をしない」という点が問題になってきます。すなわち、債務者である企業や連帯保証人にとってはこの先どれほどかかろうが返済し続けていかねばならないということを意味します。もし、返済できないのであれば破産するのも止むを得ないことになります。いくら借り手責任とは言え、ちょっと過酷ですね。わずかな収入からその後もずーっと返済が続くわけで、これでは将来に対する夢や希望をあきらめざるを得ないことになりかねません。

 保証協会を利用せず、100%金融機関が責任を持つ借入をプロパー融資といいますが、この場合はこんな過酷なことにはなりません。金融機関は回収不可能な債権を自社で貸倒損失とするのではなく、その債権を債権買取会社(サービサー)へとても安価な金額で売却して、損出しします。一方、債権買取会社は債務者や連帯保証人からその買取額を上回る金額を回収できれば利益が出るわけですから、債権額の全額回収など初めから考えていません。このため債務者や連帯保証人からすると債務額の何分の1の返済で残った債務を帳消しにできることになります。

 保証協会付きの融資とプロパー融資では大きな差があることがお分かり頂けたと思います。融資を受けるときは「プロパー融資」でというのが原則ですが、財務基盤が弱い中小企業ではなかなかそうは行かないのが実情でしょう。

 会社を経営している以上どうしてもお金が不足するときは確かにあるでしょうが、安易な借金だけは避けなければいけません。単に、運転資金が不足するからといって、安易に借金に頼るのはとても危険です。借金の元金返済に使える財源は、(税引き後純利益+減価償却費)です。借金するということは、その後毎期、

 (税引き後純利益+減価償却費)> 借金の元金返済合計額 

という条件式を満足させる経営を継続して行う必要に迫られるのです。これができないと、運転資金の減少を招くことになるわけですから、余裕資金があるうちに、収益の柱をしっかりと構築することが大切です。すなわち、返済財源を賄えるだけの収益の柱を早急に構築していくことが経営者に求められるわけです。

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                   札 幌 学 院 大 学   客 員 教 授 
                   北海道情報大学大学院 非常勤講師 溝江 諭
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