会社が負担しているIT関連コストは妥当な水準か、という問いかけに、即答できる社長はどれだけいるでしょうか。

 一般にIT関連コストは金額の多寡が判断しにくいものです。事業に適合させるため度重なるカスタマイズを行ってきたなど、会社固有の事情がベールとなり他社との単純比較を難しくしていることはよくある例でしょう。ただ、情報システムのほとんどを自前で所有・管理しているとしたら、削減余地はある、といえる日が遠からずやってきそうです。

 クラウド(・コンピューティング)とは、IT会社が持つデータセンターを活用して各種情報をネット経由でやりとりする手法のことです。パソコンや携帯電話などのネット端末があれば、「雲(クラウド)」の中から情報を取り出すように、いつでもどこでも各種データをやりとりできることからこう呼ばれています。クラウドが浸透してきた背景には、ネットワークコストが極めて安価になり、データを社外のデータセンターに置いても十分な性能が確保されるようになったことに加えて、システム投資・運用コストの削減要求があります。(つづく)

(記事提供者:アタックス 川合 和人)