ネットビジネスで成長を続けるアマゾンやブックオフなどが、独自の搬送システムを開発、実用化させていることはご存知だと思います。多品種少量の本や雑貨などを、全国にほぼ翌日配送、近隣ならば一部当日配送を実現しています。

アマゾンが導入した流通管理システムでは出荷用の段ボールを積んだ多数のロボットが商品棚の間を自走するのが特徴で、省力化や処理時間の短縮に効果があります。アマゾンのデポジットセンターの棚には分類も何もなく、商品は無造作に空いているところにどんどん入っていきますが、入庫の際に必ず「どの商品を、どのラックのどの仕切りに入れた」という詳細データが、DBに登録されていて、バーコードリーダーで瞬時に確認することができます。ですから注文がくると、「どこにあるどの番号の商品」というだけで、確実・効率的にピックアップでき、在庫管理もリアルタイムに行うことが可能なため、棚卸的な作業も必要ありません。

 一方、国際物流大手のDHLやFedEx、UPSなどの配送業者も手を尽くしています。例えば、DHLでは、オンラインでの発送、集荷の予約やお客様の発送データの管理を行っており、UPSの場合はトラッキング・ナンバーを使って、UPSシステムを経由して配達先に輸送されるすべての貨物を識別、追跡できるサービスなどを用意しています。

 このように物流各社が現在しのぎを削って開発努力を積み重ねていますので、物流業者各社から自社にとって最適の流通システム・コストについてのプレゼンテーションを改めて受けてみる価値がありそうです。物流コストの削減やサービス向上等に結びつくことが期待できます。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)