(前編からのつづき)
 
 また、課税問題の一つとして「恒久的施設(PE)」を挙げております。
 PEとは、支店や事務所、工場といった事業を行う一定の場所を指します。
 租税条約には、「PEなければ課税なし」という原則があり、わが国企業が進出先国で獲得する事業利得について、その進出先国が課税することができるのを「PEを有する場合」に限定しております。
 租税条約の締結がない国においても、通常国内法で範囲が定められております。

 しかし、新興国では自国の課税権の拡大を目的に、このPEの範囲を拡大解釈する傾向があります。
 インドの事例では、日本親会社から独立して業務を行っている現地子会社がPE認定されたり、営業活動を行っていない駐在員事務所がPE認定されたりといった問題が発生しております。
 対応策として、PEに関する現地の規定や運用等についての事前の情報収集や、現地子会社等との取引内容について契約書で明確化するなどが挙げられております。
 同省では、「こうした問題が現地で実際に発生した場合には、泣き寝入りするのではなく、専門家や行政府等と相談しつつ適切に対応していくことが重要」としております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成25年11月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。