総務省統計局がまとめた統計調査によると、わが国の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は23.1%(平成22年9月15日時点)で、過去最高値を記録しています。およそ4人に1人が65歳以上で、80歳以上のお年寄りは実に826万人にも上るといい、紛れもなく「超高齢化社会」に突入しているわけです。

 高齢化社会の進行を背景に深刻な問題として浮上しているのが、住居問題。高齢者は、病気や事故による家賃滞納などが不安視され、賃貸住宅への入居を拒否されるケースが珍しくない。こうしたケースを減らすため、同13年に施行されたのが「高齢者の居住の安定確保に関する法律」です。
 同法では、高齢者向け優良賃貸住宅を新築した個人・法人に対するさまざまな優遇税制が設けられ、高齢者の住居問題に一定の効果を挙げています。その優遇税制とは、高齢者向け優良賃貸住宅の新築から5年間①固定資産税を3分の1に減額する②一定割合を割増償却できる――というものです。

 なお、ここでいう高齢者向け優良賃貸住宅とは①床面積35㎡以上②部屋数が5戸以上③同23年3月31日までに新築されたもの④同法に基づく国、地方公共団体からの補助金(住宅の共用部分や、手すり、緊急通報装置の設置、段差の解消などに対する補助金)を受けている――のすべての条件を満たす住宅を指します。
 ところで、①の措置については、同22年3月31日でいったん期限切れを迎える予定でしたが、今年の税制改正により1年間延長されました。また、②の措置については、同23年3月31日で適用期限が到来するため、来年度の税制改正の過程で、その存続が議論されることになります。
<情報提供:エヌピー通信社>