第一生命経済研究所は、消費税の逆進性緩和策といわれる軽減税率と給付付き税額控除について、試算をしたとの報道がありました。
 フランス、ドイツ等で採用されている軽減税率は、食料品、水道光熱費、新聞、雑誌、書籍などの生活必需品の税率をゼロ%あるいは低く設定しています。
 例えば、日本で、現行の消費税率5%相当の税収確保を前提に食料品の消費税率を0%とした場合の消費税負担率(=消費税負担額÷所得×100)を試算すると、逆進性は大きく変わりませんが、同じ税収を食料品以外の消費税で補うためには6.7%の消費税率となります。

 一方、給付付き税額控除は、控除額が課税所得額を上回る場合や課税所得が課税最低限以下の場合に給付するという税と社会保障を一体化した制度で、カナダの給付付き税額控除制度を日本に適用した場合には、給付額は本人・配偶者とも2.4万円、子ども1人あたり1.3万円となり、消費税負担率は大幅に緩和されますが、同税収確保のためには5.5%の消費税率となります。
 したがって、食料品や生活必需品の税率を低く設定する軽減税率の導入に比べると給付付き税額控除のほうが逆進性緩和という点では効果的とのことです。

(注意)
 上記の記載内容は、平成23年6月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、会計、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。