(「節電から発電へ その1」より続く)

 多くの地方自治体がかかえている住宅供給公社や土地開発公社の塩漬け状態になっている土地を、太陽光発電の用地として転用するといったことも大いに考えられます。

 そういった公的な支援を受けながら、民間は、コストダウンのための技術開発に邁進しなくてはならないでしょう。

 コストの問題だけでなく、電気の品質という壁も立ちはだかっています。日本の電気は電圧の振幅や周波数などが極めて安定した「高級品」で、ハイテク製品を製造する工場にとって、高級な電気の供給は命綱です。送電網が開放されてこなかった一つの理由もそこにあり、電圧や周波数が不安定となり、「高級品」の質が低下するということが原発建設の大義名分となってきました。

 しかし、今、日本は大ピンチなのです。なんとか乗り越えなければいけません。

 コスト・財源の問題、用地確保の問題、電気の品質の問題、送電網の開放問題など、壁は高いことでしょう。しかしながら、高い壁に挑んでいくのは、日本の得意とする分野です。今こそ、官民一体となって、日本の底力を発揮したいものです。(了)

(記事提供者:アタックス 林 裕人)