会社が社内で利用するために購入したお茶やコーヒー、飲料水に要した費用は、一般的には「福利厚生費」もしくは「雑費」として、税務上、損金処理できます。
ですが、こうしたお茶でも品質の高い「玉露」などは100gで5千円くらいしますし、ウーロン茶などもかなり高価なものが売られています。コーヒーにこだわりのある社長ならば、相当値の張る「ブルーマウンテン」を用意することだって、あり得るでしょう。

 こうした極端に高価なものを、社長ら特定の役員だけが使用するものであれば、その役員への「給与」とみなされる可能性も出てきます。さらに、気をつけたいのは「役員給与」として処理するべき性質ならば、定期同額、あるいは事前確定といった一定の給与を除いて、損金不算入となってしまう点です。

 会社を訪れたお客さまのために購入しているものなら、「交際費」と考えることもできます。例えば、希少価値の高い超高級なウーロン茶を「お客さま用」として購入して接待に供すれば交際費となるのでしょうか。さらには「1人あたり5千円以内」とされる交際費特例の適用を受けることはできるのか、など、興味は尽きないところです。

 もちろん、こうした事例については購入の理由や用途を「個別に事実確認」する必要があるため、高級だから損金性がないとも一概に言い切れません。ただし、税務調査では福利厚生費などの費目については、第一に「個人的な費用」が混在していないか、そして単価の大きいものが重点的にチェックされます。
 領収書や請求書を保管しておくことは当然ですが、特に贅沢品は〝物言い〟がつく可能性が高く、申告の際には福利厚生費や会議費のうちの一定割合を交際費として処置するようなバランスのとれた取り扱いは必要になってきます。
<情報提供:エヌピー通信社>