行政不服審査制度は、違法・不当な処分などで行政庁に不服がある場合に、行政機関にその旨を申し立てる制度のことをいいます。訴訟と比べて手続きが簡素で費用が掛からないという利点がある一方で、審査をするのが基本的に行政自体であるため、公平性に欠けるという問題点が常に指摘されています。

 こうした問題を解消するため、政府の行政救済制度検討チームは、中立な立場で審査する「審理官」の創設を検討しています。さきごろ行われた会合では、審理手続きの公平性を高める観点から、「弁護士、税理士等の外部人材の登用が適当」と明記。これによって審理官制度が具体性を増しています。
 さらに、60日という審査請求期間も延長される見込みです。延長期間はまだ決まっていませんが、行政事件訴訟法の出訴期間である6カ月にする案など、3~12カ月に延長することで話が進められています。こうした改正で国民の権利・利益の救済機会を拡充する狙いです。

 今後新たに論点整理をしたうえで、9月までに国民からの意見募集や各府省・関係団体への照会を行い、11月に結論をとりまとめる予定となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>