上場企業の自己資本利益率(ROE=Return On Equity)が、2010年3月期の3.9%から2011年3月期は、6.0%に上昇、との記事が、新聞に載っていました。すなわち、株主(投資家)からすれば、自分の投資に対するリターンが高くなったことを意味します。

 自己資本利益率は、純利益を自己資本で割ったものです。純利益とは、企業が、一年間企業活動を行った最終的な利益であり、株主からすれば配当(リターン)の原資となるべきものです。また、自己資本とは、簡単に言えば株主として会社に投資した金額と過去の利益の蓄積の合計といえます。過去の利益の蓄積は、株主として当然回収すべきものですが、将来への投資等も考え企業内に留保した資金ということもできます。別な見方をすれば、自己資本とは「株主の持ち物」また「株主の企業に対する投資留保分」なのです。

 株主の目的は、当然、投資をしてリターンを得ることです。このリターンとは、株価の値上がり益や配当のことです。(つづく)

(記事提供者:アタックス 林 公一)