(「「人生の節目」に気づきを与える年齢別教育の効能1」より続く)

 実際に、ある企業において、「人生の節目」と「キャリアの節目」がクロスする年次に、階層別教育とは別に、「キャリア形成教育」を体系化したことがあります。そこでは、入社後はじめて役職を任命される直前の入社5年目、27歳と、役職に就き、転職を含めキャリアについて悩む年頃にあたる、入社8年目、30歳のタイミングで実施しています。いずれも、会社の人事システムを改めて確認し、自らの役割を自覚すると共に迷いを払拭し、自らの仕事人生を主体的に考えさせることを狙いとしており、実際この会社では、教育の導入によって、中堅社員の成長促進と退職防止に効果を上げています。

 今回の三菱電機の“年齢別研修”も、新たに設定した40歳、25歳という年齢に、会社の問題意識や意図が込められていることは間違いありません。

 いずれにしても、定年年齢の上昇と共に仕事人生が伸びる中、人材教育のあり方も変化していかなくてはいけません。その方法論として、長い仕事人生を、最後まで活き活きと働く社員を育成するための、「人生の節目」に気づきを与える教育を取り入れることは有効だと考えられます。

 これから年度末にかけて、来年度の教育を考える季節です。是非ともこの時期に、自社の人材教育に関する問題点を洗い出し、真の“人づくり”を実現する教育計画を立てて頂きたいと思います。(了)

(記事提供者:アタックス 北村 信貴子)