(「スマートフォンのビジネス利用 その1」より続く)

 一方で、気をつけなければいけないのがセキュリティ面です。メールやWebサイトを使った架空請求や、「マルウェア」と呼ばれる悪意のあるソフトウェアへの感染リスクなどがそれに当たります。マルウェアに感染されたスマートフォンは、内部にある個人情報や社内資料を第三者に閲覧されてしまうと同時に、位置情報や通話中の音声まで抜き取られる恐れがあるとのことです。

 このようなセキュリティ面の不安に対応するため、スマートフォン向けのセキュリティ対策アプリが数多く販売され、スマートフォンを提供するキャリア各社もセキュリティ対策アプリを盛り込んだセキュリティサービスを用意するなどして、セキュリティ対策の意識は段々と高まってきています。マルウェア対策のソフトや紛失時にリモートロックが行えるソフトなど、その内容は充実していますので、利用者側がセキュリティ意識を高め、スマートフォンで扱える情報を軽んじることなくPCと同等に意識することが今後重要になってくるでしょう。

 スマートフォン向けのセキュリティ対策がしっかりしてきたことでスマートフォンを社用で用いる会社も増えてきています。2010年3月にはファーストリテイリングも約1,200台導入したとか。

 情報とスピードがものをいう現代において、情報伝達の新しい手法としてスマートフォンはビジネスの世界においても無視できない存在になってきているのではないでしょうか。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)