銀行へ融資を申し込む際、決まって提出を求められる書類のひとつに「納税証明書」があります。納税証明書とは、確定申告書を提出した場合の納付税額や所得金額、未納税額がないことなどを証明する書類で、所轄税務署で交付を受けます。貸し手としては、当然、相手方の返済能力を判断する必要があるため、「きちんと納税しているきちんとした会社」であることを客観的に証明する納税証明書は不可欠です。

 ところで、「納税証明書」と一口にいっても、大きく分けて①納付税額等の証明、②所得金額の証明(個人は申告所得税に係る所得金額、法人は法人税に係る所得金額)、③未納税額がないことの証明、④滞納処分を受けたことがないことの証明――の4種類があります。③については、税目を指定した「その3の2」(申告所得税と消費税及び地方消費税)や「その3の3」(法人税と消費税及び地方消費税)の証明もあるので注意が必要です。提出を求められているのがどの納税証明なのか、十分に確認してから交付を受けるようにしたいものです。

 納税証明書の交付を受けるには、所轄税務署に本人(法人の場合は代表者)が納税証明書交付請求書を持参します。本人確認できるものと印鑑も必要になります。また、代理人が持参する場合には、本人の委任状、代理人本人と確認できるものおよび印鑑が必要になります。郵送で請求することもできますが、この場合には、納税証明書交付請求書、手数料(収入印紙)、返信用封筒を同封して所轄税務署に送付することになります。
<情報提供:エヌピー通信社>