法人税関係の租税特別措置の適用を受ける際の「適用額明細書」の記載方法について、複数の納税者が類似の誤りをしている状況が散見することから、国税庁が注意を促しています。

 適用額明細書の記載内容は、法人名や納税地のほか、整理番号、提出枚数、事業種目、業種番号、期末時点の資本金の額または出資金の額、所得金額または欠損金額、租税特別措置法の条項、区分番号、適用額などです。これらを記載するなかで多かったミスは、①法人税申告書別表からの転記誤り、②区分番号の記載誤り、③中小(連結)法人等の軽減税率の適用額の記載誤り、④所得がゼロまたは欠損の法人による税額控除適用等の記載誤り――の4点だとしています。

 ①は法人税申告書別表等の各欄に記された金額と同額を記載しなかったという単純ミスで、②については、同一の措置であっても税制改正で区分番号が異なる場合があることから生じる誤りだといいます。国税庁ではこうした記載ミスがないように、適用する対象事業年度の手引きを参照するように注意喚起しています。
 ③は、中小(連結)法人等の軽減税率が年800万円とされているにもかかわらず、所得金額が800万円を超える事業年度に関して「適用額」の欄にその所得金額を記してしまうというものです。④は所得がゼロまたは欠損の法人の場合、当該期は「税額控除」や「中小(連結)法人等の軽減税率」の適用はないが、適用額明細書に記載してしまうという誤りです。
 適用額明細書に記載ミスがあった場合には再提出を求められることになるので、作成時には注意したいものです。

 適用額明細書は、法人が平成23年4月1日以後に終了する事業年度で法人税関係の租税特別措置を適用する場合に、法人税申告書に添付して税務署に提出することとされているものです。国税庁では「適用額明細書の記載の手引」などで記載方法を紹介していましたが、典型的な誤りがいくつも見受けられることから、周知文書を新たに作成するなどして注意を呼び掛けています。
<情報提供:エヌピー通信社>