私ごとですが、9月、10月、そしてこの11月と連日、税務調査の立会いが続いています。
この仕事に税務調査は付き物ですが、できることなら避けて通りたいのが人情です。
しかし、残念ながら調査するしないの決定権は税理士にはありません。

この頃では、税務調査の多さに少々辟易気味です。
税務調査の合間、合間にその他の仕事をしているが実情です。
それも、時間が充分にとれず、自分の仕事が停滞する一因となっています。
仕事は溜まり、それに比例してストレスも溜まります。
更には税務調査のストレスが追い討ちをかけます。
どうも出て来るのは愚痴ばかりで、愚痴っぽくなってしまいました。

さて、最近の税務調査で気になることがあります。
それは、現金売上の計上洩れが意外に多いということです。
現金商売ではなく、通常は小切手や手形取引、銀行振込取引であったりするのですが、年に何度かは現金取引があります。

スポット売上、小口売上、屑売上等が現金取引として行われたりします。
そんな例外的な売上の計上が洩れてしまっているのです。
現金売上の売上除外、なんとも古典的な話しですが、今、古典が復活傾向にあるのかと疑いたくなる位です。

では、何故、税務調査で現金売上の計上洩れが見つかったのでしょうか?
現金取引は通常何も証拠が残らず、発見するのは困難なはずです。
調査官が優秀だからでしょうか? 
そうではなく、それほど優秀な調査官でなくとも(ボンクラ調査官でもとは云いませんが)売上計上洩れは発見できるのです。それは極めて単純だからです。

税務署の調査官が会社が使用している領収書の控と元帳の売上計上とを一件一件チェックした結果、領収書の控はあるが売上が計上されていないケースが見つかったのです。
それが、現金売上計上洩れです。

現金取引は、他の取引形態に比べ、跡が残りにくいので、誰にもわからないだろうと考えるのでしょうか?

確かに現金取引は跡が残りにくいのですが、自分で領収書を発行していながら、誰にもわからないだろうと考えること自体、理解できません。
自分で誰にでもわかるようにシッカリと領収書という足跡を残しています。
まさか、税務署が領収書の控までチェックするとは思わなかったのでしょうか?
 そう考えたとすれば、それはあまりにも無知、あまりにも大胆不敵。

現金取引は少額の取引が多いのですが、金額の多寡に拘わらず、売上除外という結果は、後味の悪いものです。

売上除外したお金は、従業員の茶菓子代として使ったと言う言い訳も古典的です。
売上除外したお金でなくとも、従業員に対する茶菓子代は福利厚生費で堂々と経費処理できます。

ウッカリミスでも結果として現金売上計上洩れは、故意悪意による売上除外の推定が働きます。気をつけたいものです。