第2回
「患者さんの声ではなく、患者さんになれない、ならない方達の声を一度聴いてみてください」

私は内覧会という現場を通じて、歯科医院に行けない、行かない方達の生のお声を聴いて参りました。
そのお声を聴いているうちに、このままではこの方達は、いつまで経っても歯科医院に来てくれるはずがない・・と思うようになりました。
 第1回において「第2回では内覧会で多く聞かれる生の声をご紹介したいと思います」とお伝えしておりましたので、最初に最も多く聴いてきたお声をご紹介いたします。
「あの音を聞いているだけで・・怖くなります」
「あの音を聞くのが怖くて歯科医院を避けています」
「あの音が怖くて治療に行くのを止めてしまいました」

あの音とは?・・
すぐにお分かりになったのではないでしょうか?
当然、歯科業界においても、患者さんが歯科医院を苦手・怖いと思う一番の理由と認識されている事です。
ですが、歯科医師の先生、歯科衛生士さん、歯科助手さんといった医療従事者側、歯科業者さんを含め歯科業界の人達にとって、それは「歯科医院なので仕方ない」と歯科として当たり前過ぎて、気にしているようで、気にしてこなかった「キュイ~ン」という歯を削る時の診療室に響き渡るタービンのあの音です。
どうでしょう。「なんだ、そんな事?」と思われた方は小学校の頃に歯科医院で治療を受けた時の事を思い出してみてください。
歯科医院なら当たり前の事、仕方ない事で見過ごせたでしょうか?
一度、本当の意味で真剣に、この当たり前過ぎて見過ごしてきたこと、見落としてきたことに本気で考えてみてください。
なぜなら、あの音を苦手とされる、患者さんになれない、ならない方達が歯科業界の皆様が考える以上に、想像する以上に多くいらっしゃるという現実があるからです。

内覧会とは・・?
患者さんになれない、ならない方達が集まり、歯科医院に対して本音を言う場所

あの音を苦手とし歯科医院に行けない方が、内覧会に見学に来られたときの実際の一言です。
「歯科医院は(音が)怖いもの・・というのが頭から離れず治療をずっと避けていたために、ひどい歯にしてしまいました・・・」
今までどれだけ多くの方達が、この言葉を発したでしょうか。
またどれだけ胸にしまい込んできたのでしょうか。
本来、歯科医院は患者さんの歯を治療して、歯の健康を守っていく医療機関です。
ですがある意味では、この方達の歯を悪くさせてしまった要因の1つが、あの音に対して真剣に配慮して来なかった歯科医院側や歯科業界側にあったと考えてしまったのは私だけでしょうか。
物理的に対処できない事もあるかと思います。
ですが、気持ち的な配慮を今以上にしていただけたらと想います。
次号も内覧会で多く聞かれる生の声をご紹介したいと思います。

Nデュース 永井伸彦

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