第5回
「患者さんは・・・本当は近くで自分に合った歯科医院を求めています」


「同じいいなら、近くの歯科医院の方がいいのですね」
 上記の発言は、私が内覧会の見学者さんと会話していく中で、
たくさん返答してきた言葉です。

 この連載を読まれている歯科医院さんの中には、とても多くの患者さんから支持されて、遠方からも患者さんがご来院されてみえる歯科医院さんもいらっしゃると思います。
 それはもちろん誇らしいことです。

 基本的には内覧会の見学者さんは、かかりつけの歯科医院さんが見つかっていない方々です。
 ただ例外があります。
 その例外の方々は、かかりつけの歯科医院は見つかっているのですが、その歯科医院が、自宅等から、遠い場合です。
 私が内覧会で多くの方々から聞いてきた現実には、「今通っている歯科医院はすごく気にいっているのだけど、遠いので定期的にずっと通うのが大変だから・・・」と表情を曇らせてみえる方々を見てきました。

 皆様、日用品は何処でお買い求めになりますでしょうか?
 多くの場合が自宅等の近くで済まされると思います。
 日用品は日常品だからです。

 日常の中に、それも、出来るだけ近くに在って欲しいものこそ、医療機関のはずです。
 歯科医院は医療機関です。
 医療機関である以上は近くに在ること、すなわち、近くにい居ることが、大きな安心に繋がっていますし、心の安穏になっているのです。

 歯科医師のドクターが、経営セミナーの講師をされる場合、「歯科医院からかなり遠方の患者さんも通っていただけています」と自医院の診療圏の広さをアピールされる場合がほとんどです。
 もちろんそれは素晴らしい実績だと思います。

しかし、本当の意味での患者さん達の本音は・・・    
 「同じいいなら近くに居てくれた方がいい」なのです。    

 私がお手伝いさせていただいた関西の新規開業の歯科医院さんで、それを証明するこんな例があります。その新規開業の歯科医院さんは開業前のご予約が200名を超えました。
 尋常ではないご予約数です。近隣には歯科医院さんも多い場所にも関わらずです。

 歯科業界人の考え方なら、「かなり離れた場所からも予約が入ったんだな」「ネット予約で遠方の予約が多かったんだろう」・・と考えるのが普通だと思います。
しかし、実はご予約の大半が半径数百メートルの「近くの住民の方々」だったのです。

 その歯科医院の内覧会で、見学者の方々の多くが
 「やっと近くで行きたいと思える歯科医院に出逢えた」
 と、安心した、喜びの生のお声を発せられました。
 今一度、半径数百メートルの近隣の方々の自医院の来院状況をご確認してみてください。
 本当に必要としてくれている、大切な近くの人を見落としていませんでしょうか?
 大事なものは、遠くにあるのではなく、最も近くに居て欲しいのだと思います。     
永井さん.jpg
Nデュース 永井 伸彦

Nデュース永井伸彦さんの最新連載を掲載しております!
詳細は・・・
歯科・医科・社会福祉法人・事業承継・相続対策に強い大阪の会計事務所 税理士法人ネクサス まで