最近は『クールジャパン』という言葉が流行っています。日本語に直訳すると『スマートでかっこいい日本』といった感じでしょうか。この『クールジャパン』を代表するのがキャラクター、アニメを始めとする文化産業です。「ポケモン」「ドラえもん」などのアニメキャラクターや「ハローキティ」などのブランド、「アキハバラ」に代表されるメイド文化や電脳文化などを総称します。その潜在的な成長力は、製造業に替わる日本の輸出産業の柱と期待されています。

 ところが、最近はやや頭打ちの傾向も見受けられます。これは財界行政を含めて、これらの産業を貪欲に進出させようとする、「オールジャパン」としての産業育成への気迫が少ない、また企業側ではクリエイティブの段階で満足してしまって、海外に売り出そうという気概を持ったプロデュース人材が少ないといったことが考えられます。

 売り方次第では莫大な市場が形成されるキャラクターであるかもしれないのに、残念なことです。コンテンツを単に輸出するのではなく、幅広い行政を含めたインフラの輸出・構築も必要かもしれません。自然エネルギーを合理的に活用しようというスマートシティや、新幹線のような交通システムの輸出でも重視されているような、キャラクターについてもインフラとしての輸出への取り組みが求められるところです。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)