時々聞かれることに、「子供が所在不明だが遺産分割はどうしたらいいの?」があります。

たとえば、長男がオーストラリアに留学したが、卒業後、現地で就職したという連絡はあった。3年くらいは連絡があったが、その後は連絡がない。所在がわからない。この度、父親の相続があったがどうしたらいいですか?というようなものである。

最後の音信から、7年以上たっていれば、家庭裁判所に失踪宣告の申請をして、確定してもらうことになるが、死亡したものとみなされる。長男に妻子がいれば、妻子が相続人になるが、妻子がいない場合は、母親が相続人になる。

問題なのは、友人等には時々連絡があり、生存はしているが所在が不明の場合である。この場合は、家庭裁判所に財産管理人の選任の申し立てをして、その財産管理人と相続人とで遺産分割協議をすることになる。あまりできのよくない子供を海外留学させることが増えて、こういうことが珍しくなくなってきた。