国税庁のアウトソーシングによる調達の方針が明示され、これからすべての税務行政施策が一般競争入札による事となりました。そこで気になるのは「税に関することは税理士の独占業務であるから、どんな方策でも現場での納税者への対応は税理士だけだから、国税庁の出方を待っていてOK、承諾の有無は税理士会側にある」とする強気論の広がりであります。
(踏み絵ではないのか!砂上の楼閣か!)
 税理士は税理士法という特別法でその身分を保障されており、国際的に類のない制度である。官のお手本するアメリカにはない制度であります。一般の納税者にとっても医師・弁護士ほど社会的制度としての有用性を強く認識していない。社会保障継続・国債償還など財政再建に猪突猛進ともいえる行政の目から税制の一端を担う税理士会の非協力とも言える強気論はどのように映るだろうか。
(今、日本のターニングポイント、過去の延長線には何もないとする覚悟!)
 かって、ある政治家から「税理士会は縦社会では大蔵省の傘の下にある組織だから仕方がないが、税制建議を国税庁に上げても、国税庁は税金を徴収する執行機関で、政策決定にタッチしない組織だから建議の効果は薄い!」と政治的感度の欠如に苦言を頂いた。今回のアウトソーシングへの対応を誤れば税理士制度は足下から崩れる。
(原点に戻り、あるべき姿からの考察を願う)
 組織の安定期ほど危険、税理士会にも言える。税理士会は飽和状態と見える会員を有し、会員は自分の生活に追われている「湯で蛙」状態にある。継続的な組織力構築に熱心でない。今こそ、組織能力を高めるための組織の効率化を図り、36時間研修等の納税者へ現場で対応する税理士会員の技能・資質強化、税理士会が行う広報活動・社会貢献によるブランド力強化による社会的評価を高めることが急務である。
星野会計事務所 http://www.tkcnf.com/hoshino/pc/