13日に、加藤恵一郎TKC全国会加藤副会長の講演「「会計と書面添付」ー会計の専門家としての税理士ー」を聴き、自分の事務所の方向性を考えました。

 平成24・25年TKC全国会重点テーマに、「いまこそ、社会の期待に応えよう! ~めざせ!中小企業のビジネスドクター~」とありますが、

社会の期待とは・・・・

1,税理士事務所は、会計の専門家として、我が国の会計文化としての「確定決算主義」について、その役割や機能を十分に理解し、維持に努める必要がある。

2,税理士事務所は、書面添付制度が、申告書のみでならず、決算書の信頼性をも高めるものであることを認識しながら活用し、さらなる実践を目指すべきである。

3,税理士事務所は、「中小企業の会計に関する基本要領」を積極的に活用し普及しなければなならない。

4,税理士事務所は、中小企業の「財務経営力」「資金調達力」強化の一翼を担うという信念を持って、社会の期待に応えるべきである。


(決算書の信頼性向上と税理士の使命)

(1)税理士の使命・・・・・日本税理士会連合会:税理士法逐条解説ー5訂版

「税務に関する専門家として、独立した公正な立場」で租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図るという「使命」を果たしていくことは、納税者との間に信頼関係を育成することになり、また税理士に対する社会的評価をより高いものとする。


(2)社会から税理士に対する次の新たな期待が生まれる。

●会計の専門家
●中小企業の実情をよく知っている専門家
●中小企業の経営や資金繰りに詳しい専門家
●実行力のある専門家
●環境の変化に対応できる専門家
これらの期待に応えることも税理士の「使命」である。


(3)決算書の信頼性向上がもたらすもの

◆経営者が自信を持って決算書を意思決定や資金調達に活用できる。
◆取引金融機関からの信頼が高まり、融資がスムーズに行われる。
◆金融機関等からの融資に伴う金利低減等の優遇を得られる。
◆税務署をはじめとする公的機関からの信頼が厚くなる。
◆債権者、得意先との関係が有利に展開する。
◆出資者や従業員に対する説明責任が果たしやすくなる。


(4)会計と書面添付制度

 決算書は、経営者が日々の取引を「適時かつ正確な記帳に基づく会計記録」を行い、「基準・法令に準拠した計算書類」とし株主総会に提出、確定させる。さらに、税理士事務所からの「適時かつ正確な記帳」「会計システム処理プロセスの信頼性」「中小会計要領法令に準拠」していると、税務申告において、その正確性を確かめたことを記載した書面を添付する(書面添付制度)ことで対外的な客観性が得られる。


(5)信頼性ある決算書の要件とは

★小規模企業では、
 「中小会計要領」に準拠し、書面添付制度を適用していること。
★中規模企業や一部の小規模企業では
 「中小指針」に準拠し、会計参与制度を採用していること。
★大規模企業(公開企業)では、
 「完全版IFRS」「日本基準 J-GAPP」に準拠して決算書作成していること。


(6)まとめ

 中小企業はこれから近未来(5年以内)、金融機関から融資を得るには、最低経営者が作成する決算書作成時には「中小会計要領」を遵守し、申告事務においては税理士事務所から「書面添付制度」適用を受け、「適時かつ正確な記帳」「処理プロセスの信頼性」「法令に準拠し適正である」との総合所見を記載した書面を申告書に添付するが必要となる。「信頼性ある決算書」と認められなければ融資を受けられないという「パラダイムの変化」が訪れようとしている時代認識が、経営者にも、税理士事務所にも求められている。
 


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