先日、日本公認会計士協会編の綱紀関係事例集(平成18年9月編集刊行)を頂きました。事例が42件掲載され、事案の概要、会社の概要、問題点に関する審議の経過と結果、結論(処分)がそれぞれ記載されております。当事例集は、会員の倫理規則違反ケースを具体的に説明され、業務停止・会員権停止処分を明示されております。税理士会にとっても組織の自浄機能発揮として参考になると考えここに紹介します。
(会長のあいさつ一部)
・・・このような社会情勢の中で、公認会計士がその職責を果たしていくためには、社会的使命の自覚と公認会計士の精神的バックボーンである倫理規範、特に独立性の保持について再認識し、専門的知識と熟達した技能を駆使し、的確な判断のもとに業務を実施していくことが肝要であると考えます。
 「綱紀関係事例集」は、主に最近の綱紀事案の中から、会員各位が「過去の経験に学び」、今後の業務の充実に利用することを目的として、新たに編集されたものであります。この事例集を座右の書として活用し、社会の負託に応えられるよう会員各位の一層のご努力を切望するものであります。・・・
(倫理規則第15条違反とは・・・)
第15条(監査意見の表明)
 会員は、財務書類等に対する監査業務を行うに際して、次の行為を行ってはならない。
1,重要な監査手続が省略さているにもかかわらず、実施した旨を述べること。
2,監査範囲に重要な制限又は省略があるにもかかわらず、監査意見を表明するに際しその旨を報告しないこと。
3,故意に、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類等を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして監査意見を表明すること。
4,相当の注意を怠り、重大な虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類等を重大な虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして監査意見を表明すること。
5,十分な証拠が入手できず、監査意見を形成するに足る合理的な基礎が得られなかったにもかかわらず、監査意見を表明すること。
(自主規制機能の強化)
 一般投資家への公共的責任の重要さは影響する大きさの違いはあれ、税理士にも責任を問われることには違いありません。書面添付制度の推進する見地から、一つ一つの事例に身の引き締まる思いをいたしました。
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