22.07.15 15時 

<出火後の保険金の税務> 個人

「アパ-トの賃貸をする個人事業者ですが、賃貸用アパ-トが台風で被害(修理代25万円)を受け、建物の損害保険金(30万円)を受け取りました。」どうしたら良いでしょうか。

 

.質問の回答

資産の損害に対して受け取る損害保険金(火災保険の保険金)は非課税ですが、休業保険金、家賃保険金等収入金額に計上するものもあるので、内容を再確認してください。

(1)資産の損害に対して受け取る損害保険金(火災保険の保険金)は非課税です。

損害保険金は、損害額相当額を補う、実損てん補とみなされるから所得税は課税されません。

受取った保険金が建物や家財の損害額を上回っても、超過部分にも課税されることはありません。(今回は30万円-25万円=5万円)

 

(2)収入(課税される)になる保険金

棚卸資産の損害に対して支払われる保険金や業務の休止などによりその業務の利益の補償(収入に代わる性質)として、受け取る保険金は、全額が、収入金額に計上されます。

例えば、損害を被った商品に対する保険金、利益保険金、休業保険金、家賃保険金などが該当します。

 

(3)会計処理の方法

① 事業用固定資産の損失の金額から、保険金等により補填される部分の金額を除きます。

よって、保険金等により補填される金額は、損失として必要経費に算入され    ないことになります。

ここで、保険金等の金額に事業用固定資産の損失の額を超える部分があっても、その部分は非課税となります。

また、店主が事故などにより心身に損害を受けた場合も、受け取った保険金等は非課税となります。

②  非課税の対象とならない損害保険金(上記(2))

これらに該当する保険金等は、その金額が損害額を超えるか否かにかかわらず、その全額を総収入金額に算入する必要があります。

 

追加

2.保険金を超過する損失があった場合の処理

個人事業主が、店舗などたな卸資産以外の事業用固定資産に損害を受けて、廃棄損が生じた場合に、受け取った保険金を超過する損の部分は、必要経費に算入できます。

受け取った保険金が廃棄損を上回った場合は、上記1により、超過額は非課税となります。

 

3.雑損控除(個人及び個人事業主の生活用資産の損失)

損害額が保険金額より大きい場合には、その差である損害額は雑損控除の対象となります。ただし、個人及び個人事業主(生活用資産のみ)に適用され、法人には適用はありません。