12月28日に、TKC税務研究所から「国税庁・相続税の申告事績(平成17年分)及び調査事績(平成17事務年度分)発表」と題する文書を頂きましたので、ここに紹介いたします。
 国税庁は、この度、相続税の申告事績(平成17年分)及び調査事績(平成17年事務年度分)を発表した。被相続人数は高齢化時代を迎え増加しており、申告事績は、課税件数前年対比約104%、課税価格は前年度対比約103%、申告税額においては前年対比約108%といずれも増加傾向を示している。
 一方、調査事績については、調査件数、申告漏れ件数は増加したものの、申告漏れ課税価格は減少した。しかし、重加算税賦課件数は前年対比約105%、重加算税賦課対象課税価格約115%といずれも増加しており、調査の重点が仮装・隠ぺい財産の把握にあったことが伺われる。
 また、海外資産関連事案に係わる調査事績は申告漏れ課税価格については、前年対比約171%と大幅に増加している。この傾向は続いており、顧問先から相続税の申告の相談を受けた場合は、海外資産所有の確認が大切と言えます。
1,申告事績(平成17年分)
(1)死亡者数・課税対象となった被相続人数
 死亡者数(被相続人)約108万人(前年約103万人)のうち、相続税が課税された被相続人数は約4万5千人(前年約4万3千人)となっており、課税割合は4.2%(前年4.2%)と前年と同様の傾向をしてしている。
(2)相続財産額の種類別構成比
 相続税財産の主流は相変わらず土地であり、50.4%(前年53.2%)を占めている。次に多いのが現金預金等23,111億円(20.5%)(前年21,770億円・19.9%)であり、相続財産に占める割合、金額ともに増加しており、この傾向は平成4年以後一貫している。
(3)課税価格は、10兆1,689億円(前年9兆8,512億円)であり、これを被相続人一人当たりでみると2億2,537万円(前年2億2,653億円)となっている。一方、税額においては1兆1,520億円(前年1兆642億円)であり、これを被相続人1人当たりでみると2,553万円(前年2,447万円)となっている。
2,調査事績(平成17年7月縲恤ス成18年6月)
(1)調査件数
 調査件数は14,218件(前年13,760件)であり、このうち、申告漏れがあった件数は12,119件(前年1,895件)で、いずれも僅かながら増加しているが、逆に、申告漏れ割合は85.2%(前年86.4%)と僅かながら減少している。
(2)申告漏れ課税価格等
 申告漏れ課税価格は3,882億円(前年4,003億円)、申告漏れ税額は742億円(前年799億円)と引き続き減少しているものの、偽り不正による申告漏れ重加算税賦課対象額は698億円(前年608億円)、重加算税賦課件数割合は14.7%(前年14.2%)といずれも増加している。
(3)海外資産関連事案に係わる調査事績
 海外資産関連事案に係わる調査事績は、調査件数は297件と前年対比約117%、漏れ件数では237件(前年197件)と増加した。また、申告漏れ課税価格は136億円(前年129億円)で前年に比べ105.4%の増加となっている。
星野会計事務所のホームページは・・・http://www.tkcnf.com/hoshino/