連休もどこへ行けるわけもないので、書店にあった与謝野馨代議士の著書を購入、読み切りました。政治家として大事なことは「本当のことをズバリと言う、勇気を持って真実を語る、語れる」とし、70歳を超えた政治家が真実を語った内容でした。


(与謝野氏が記す巻末「おわりに」には)

 私は三つの分野において、あとの世代にいい国を残したいと願う。すなわち経済、財政、国民の安心安全である。

 経済についていえば、日本の経済はしょせん資源のない国の経済であり、国民の頭脳と汗に支えられ、貿易立国としてしか存在できないと思う。そこには経済を支える他国にはない立派な技術力、独創性がなければならない、近年これが忘れがちであったということには警鐘乱打しなければならない。中国をはじめめざましい活力をみせている新興国に負けないで貿易立国を存続させていくためには国も企業も技術や研究に相当の力をいれてゆく必要がある。「金が金を生む」というバカげた考えは捨て、「モノづくり」が日本の唯一の道であるという原点に立ち返る必要がある。冨は天から降ってこない。

 そして、財政は深刻である。勿論、政治の責任が第一であるが、国という機関は煎じ詰めれば企業や個人の所得の一部分をこっちからあっちへと移転するだけの機能しか持っていない。このままの財政状況を続ければ破綻が来ることは目に見えている。実は財政こそが持続可能な社会保障制度をも支えているのである。


(情緒の政治ではなく、リアリズムこそが命)

 国民は、このままでは日本の経済・財政はダメになるかもしれないという危機感をもっている。「もう仕方がない、痛みに耐えよう。苦い薬でも飲もう」という政治家が少ない。今、日本国民は「ゆでガエル」のように外部環境が刻々変化しているのに、状況の変化を肯定せずに「何とかなる」と破滅に向かって時を過ごしている。政治家は「歴史を相手に仕事をしている」と云われる。ならば、国民に真実を語らず、次の選挙のことだけを考え、甘い言葉で国民を惑わすことはもう止めて欲しい。


(小泉内閣以後の政策決定の舞台裏を知る)

 自民党政権の反省から「不都合な真実」から目を逸らすなとして、これまでの政治を当事者として語っておられる(但し2010.1.20第1刷発行)。「政治家人生、最後の使命」として奮闘される与謝野馨代議士にエールを送りたい。なお。著書名は「民主党が日本経済を破壊する」、出版社は文藝春秋「文春新書」。



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