平成23年 年末調整の仕方
1 年末調整の準備
(1)申告書の準備
  下記①②の書類は税務署に用意してあります。また、国税庁のホ-ムペ-ジからもダウンロ-ドできます。
 ① 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
 ② 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書
(2)確認と証明書の準備、申告書へ書き込み
  年末調整の計算にあたっては、上記の申告書に書き込む情報と、次の書類や証明書が必要となりますので、上記①②の申告書を社員に渡し、11月末くらいには揃えてもらうようPRすると良いです。
  (注)なお、医療費控除、雑損控除、寄付金控除については、確定申告が必要です。
 ①扶養控除等申告書
   この申告書(平成23年分)は、原則として本年最初に給与の支払を受ける時までに給与の支払者に提出することになっており、また、年の中途で扶養親族の数などに異動があった場合には、その都度異動申告をすることになっていますが、扶養親族の数などに異動があった人から、異動申告が忘れずに行われているか確認してください。
   扶養親族の記載は以前(H22年分以前)と変更があるので注意して下さい。(平成23年分より、16歳以上が対象となることになりました。16歳未満の扶養親族がいる場合は用紙下欄の住民税に関する事項に記載して下さい。)
   中途入社の社員や従業員については、前の会社の源泉徴収票を添付してください。
 ②保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書
  生命保険の控除証明書
   生命保険料控除証明書(一般用と個人年金用がそれぞれ控除対象になります)の内容を記載し、その証明書を添付して下さい。
   生命保険料控除の対象となる生命保険契約等とは、その支払った保険料や掛金 が生命保険料控除の対象とされるためには、保険金などの受取人のすべてが所得者本人又は所得者の配偶者や親族となっていることが必要です。
  地震保険の控除証明書
   地震保険料控除証明書の内容を記載し、その証明書を添付して下さい
   (損害保険料控除については、平成18年12月31日までに締結された長期損害保険契約に限ります)
  社会保険料控除
   国民健康保険料の本年中支払金額
   国民年金保険料(国民年金基金を含む)の支払額と控除証明書
   小規模企業共済や心身障害者扶養共済制度の掛金額と証明書
 ③住宅借入金等特別控除申告書に記入及び証明書等の添付
   税務署から送付された住宅借入金等特別控除申告書
   国民金融公庫や銀行からの借入金残高証明書
   (注) なお、年末調整でこの規定の適用を受けられるのは、適用年度が2年目以降の方です。今年始めて適用を受ける場合には、確定申告が必要です
 (3)昨年と変わった点
  ① 年齢16歳未満の扶養親族に対する扶養控除が廃止されました。
  ② 年齢16歳以上19歳未満の人の扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止され、これらの人に対する扶養控除の額は38万円とすることとされました。
これに伴い、特定扶養親族の範囲が、年齢19歳以上23歳未満の扶養親族に変更されました。
  ※詳細は税務署から配布される「年末調整のしかた」・国税庁のHP等をご参照下さい。
2 年末調整の手順
 (1)源泉徴収簿の作成と年税額の計算
  ① 源泉徴収簿の記載
    源泉徴収簿に毎月の給与、給与から天引きされる社会保険料、算出税額を記入します。
    前職者の給与や賞与、現物給与は忘れがちなので記入漏れがないよう注意します。
    源泉徴収簿に記入が終わったら、月別に合計して、給与の支給総額、社会保険料総額、源泉徴収税額を合わせて、点検するとよいです。
  ②「平成23年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」(以下「早見表」と言う。)にあてはめて、より給与所得控除後の給与等の金額を求めます。
  ③ 社会保険料、保険料控除申告書、配偶者特別控除申告書、扶養控除等申告書に基づいて各種の所得控除の金額を求め、源泉徴収簿に転記します。
提出された各申告書の内容や計算に間違いがないかどうか必ずチェックします。
  ④ 給与所得控除後の金額から所得控除額の合計額を控除した金額が課税所得金額です。
  ⑤ この金額に税率(所得税額の速算表参照)を掛けて1年間の税額を算出します。
  ⑥ さらに、住宅借入金等特別控除がある場合には、住宅借入金等特別控除申告書で計算した控除額を控除し、年税額が確定します。
 (2)過納額の還付と不足額の徴収
  ①過納額の還付
   年末調整によって計算した年税額よりも預かっていた源泉徴収税額が多い場合には、12月の給与の支払い時等に、その過納額を本人に還付します
  ②不足額の徴収
   年末調整によって不足額が生じたときは、12月の給与の支払い時等に、その不足額を徴収します
 (3)徴収税額の納付
  ① 給与や報酬について源泉徴収した所得税額は、支払いをした翌月の1月10日までに、所定の納付書を使って国に納付しなければなりません。
  ② 納期の特例の承認を受けている場合
   1月から6月までの分は7月10日
   7月から12月までの分は翌年1月10日(一定の届出書を提出している場合には、
翌年の1月20日)
  ③ 還付が多額のため納付税額が0となる場合には、納付書は0金額で税務署に直接提出または郵送しなければなりません。