デフレとは、一般的な物価が持続的に下落し、物の価値が下がってしまう状態を指します。不況になると将来への不安感や先行きの不透明さから消費者はものを買い控え、より安価なものを強く求めるようになります。そして物を売る側はそんな苦境を乗り切ろうと消費者の求める安さを追求し始めます。(プースカ世代におくるお金の話Vol63)


(牛丼値下げ合戦)

 牛丼チェーンでは、米国産の質にこだわる吉野家も並盛り270円、産地にこだわらないすき家・松屋も並盛り250円のキャンペーンを実施した。これは、消費の落ち込みと牛肉の値下がりが原因でありますが、最大手の吉野家は赤字・売上減、すき家・松屋は利益確保・売上増と明暗を分けています。


(中間層の地盤沈下進行)

 平均年収800万~900万円の世帯数ここ10年(2000-209)で18%減、1500万円以上30%減、1000万~1500万円は19%、他方400万円以下は50%以上伸びた。09年の総務省家計調査によると、2人以上の勤労世帯の平均年収は621万円。年収500万~900万円の世帯は中流層と呼ばれ、全世帯の消費支出の4割を占める。この中流層の収入減が個人消費の伸び悩みに関係している。(日経2010.5.10)


(賃金の下落)

 男性25~29歳の賃金水準を100とする指標では(厚生労働省賃金構造基本統計調査)、
1985年は、45~49歳が209、50~54歳が222
2009年は、45~49歳が179、50~54歳が183
 とキャリアを重ねても収入増に直結しない賃金カーブのフラット化が進んでいる。

その影響で、収入増に自信を持てない若者は高額耐久消費財(車・住宅)の購入を敬遠し、シルバー世代は老後の不安から節約志向を強めるというデフレスパイラルの悪循環に歯止めがかからない。


(グランドデザインの明示を求める)

 中流層の低所得化は消費の減少をもたらしている。デフレで低価格の輸入が増え、国内の雇用の場が失われている。個々生産者の生産性向上への努力は当然としても、政府による経済全体のパイを拡大させる方針・施策を明示させなければ、このデフレスパイラルを止めることができない。



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