病院選びをして気づいたことの一つは、骨折し車の運転が出来まい人間には郊外立地の総合病院は不便であるということです。これから高齢化と核家族化が進めば、家族の手助けを期待できない、交通費にお金をかけられないとすれば、病院は街中にあった方がいい。


(中心市街地に大型商業施設を期待するが)

 地方都市の課題は、中心市街地の空洞化が進み、これまで投下した都市インフラの活用が低下している。多くの地域では何とかして大型商業施設を誘致し再開発の核と願っている。しかし、車社会で消費者の利便と営利企業で経営効率を追求する流通企業の動きは鈍い。また、消費者から商業地としての魅力が無くなって空洞化したのだから、中心市街地の再開発でデパートを誘致し、郊外大型ショッピングセンターと競うとする発想の転換が求められる。


(デパートを病院に置き換えるアイデア)

 交通手段の高速化は、地方都市の脅威になっている。私の住む長野市では、最新ファッション・高額商品を帰る人は新幹線代を払ってでも東京で買い物をし、日常商品だけ地元で買う消費者行動が出来ている。高度専門治療が必要な患者さんも同様で、大都市病院で診療を受けるために長距離通院している。


(日本の地域医療は・・)

 市町村を単位とし、身近な医療を提供する「1次医療圏」、複数の市町村を単位とし、一通りの医療行為を受けることができる「2次医療圏」、都道府県を単位とし、高度で特殊な医療も提供できる「3次医療圏」という3つの階層で整備が進められている。医療費の負担に悩む厚生労働省はその医療圏の確保に向け施策を行っています。地方にとって「1次・2次医療圏」で何が出来るかがテーマです。


(病院はサービス業)

 病院の医療サービス水準を維持しするためには、送迎バスが必要な郊外立地より、撤退した商業施設跡地を低廉な土地利用が出来れば、潜在的な患者さんがいる街中に立地することで、集客の面で医療経営の効率化が図れ、患者さんの利便は大きく、アクセスポイント周辺であれば都市交通インフラの活用が可能となる。


(まちなか集積医療)

 病院を中心市街地に誘致が出来れば、患者さんと家族・見舞の人が集まる。人が集まれば多様なサービス産業が成立し、それがまた人を集める。病院は設備産業でありますから、目標の患者さんを集客できなければ、医療費の値上げがなければ赤字経営になる。通院しやすい環境下での病院立地は病院にも、患者さんにも、行政にとっても、商店街にも、受け入れやすい中心市街地再開活のアイデアではないか。


(コンパクトシティーという考え)

 上記は、日経の経済教室「コンパクトシティーを考える」と題して発表された小峰隆夫(法政大学教授)・林良嗣(名古屋大学教授)両先生の論文を引用しました。日本の人口のほとんどは東京周辺、札幌、仙台、名古屋、京都大阪、広島、福岡に集中している現実を踏まえ、地方都市設計で住民の満足を得られる考えとして、「コンパクトシティーの考え」は有効な手段と賛同します。



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