長野県税理士政治連盟の機関誌「長野県税政連だより」への原稿依頼がありましたので、下記文書を年頭のあいさつとしました。


 新年明けましておめでとうございます。本年も税政連の活動にご理解とご支援の程よろしくお願い申し上げます。

 各後援会の働きは、平成23年度税制改正大綱で、(1)欠損金の繰越控除制限、(2)給与所得控除全般の見直し、(3)更正の請求期間の延長など最重点要望事項が取り入れられています。これは後援会と税政連の強力な運動の成果であります。
 また、検討事項として(1)納税者権利憲章の制定、(2)税務調査手続きの見直し、(3)租税教育の重要性が取り上げられています。税の専門家として税理士の活躍領域がますます広がって行きます。

 我々の置かれた経済環境は崖淵、税収を上回る国債発行による予算編成は、高齢化に伴い個人貯蓄は減少し始め昨今、毎年40兆円ずつ国債発行額を積み重ねれば3~4年で底をついてしまう。国内に引き受け手がいなければ、外国金融機関に頼らなければならなくなる。超高齢化で、15年後には5人に1人は75歳以上となる、年金と医療費を75歳以下の生産人口で支えることが現実となる。税制と社会保障は如何あるべきか。

 他国の信用不安で振れ動く国際金融市場では国家財政の信頼感を確かなものにしなければならない。ここ数年で財政再建・日本経済の再編成に取り組まなければ我々は次の大きな出来事を目の前にする事となる。(1)国内で消化できなくなった国債の発行は、金利を上げ、時に暴落する。(2)アジアの急速な成長とグローバル化の進展で現地調達率確保・コストダウン要請で国内産業は一層空洞化が進む。(3)一産業に多企業が存在する日本経済のあり方では国際競争力は維持できない、国内需要に合わせた企業の再編が進む。

 経済が良くならなければ、いくら増税しても税収は増えない、政策が実現されない。現在「中小企業金融円滑化法」で倒産は抑制されているが、一向に景気が好転せず、仕事は増えないなか、日本を支える中小企業の先行く環境は厳しく、この現状で金融機関が安易に再猶予に応じる環境ではない。定年延長といっても60歳以上75歳までの世代を雇用する職場はあるのか。生き残りを賭けた経営者に税理士は何が出来るか。

 これからの起きる大きな出来事に向け、我々のお客さま中小企業経営者の事業を守る行動が問われている。この先10年で50%日本経済が縮小すると、40%の中小企業が消え、60%が残るだけである。

 税政連の税政改正要望・活動も、基本的な国家戦略をイメージし、税制改革を求める視点でなされないと砂上の楼閣を画くことになりかねない。現実的課題は、70%が赤字である中小企業へ黒字決算体質転換と、60歳から75歳までの雇用を創造するアドバイスが求められる。その展望に立ち、税制を考えるべきではないか。

 今年は政治が決断する年であり、残された猶予は3~4年しかありません。税財政・社会保障の一体改革は不可避、消費税率アップは不可欠と考えざるを得ません。我々は政治に何を求めるかが課題であります。税理士政治連盟としても足下を見ることも大事ですが、同時に2~3年先も考えてまいります。会員各位には本年も税理士政治連盟の活動に一層のご理解とご協力の程お願い申し上げます。



 読みいただき有り難うございます。どうか、投稿継続の励みとなりますので「ビジネスブログランキング http://jobranking.net/43/ranklink.cgi?id=hoshino 」にクリックをお願いします。
 また、外のジャンルについては http://plaza.rakuten.co.jp/taxoffice をアクセスして下さい。お待ちしております。