日々の新聞報道では、日本は「世界最速で少子高齢化」「政府の借金、GDP2倍」「財政悪化、世界で突出」「国民年金未納4割」など暗い情報が流れています。確かに、国債残高が家計の金融資産1440兆円にせまる9年後(2020年)は、団塊の世代が75才に達し、社会保障費が急増するタイミングと重なる。いま日本国民は待ったなしの意思決定が求められている。


(2008年度の国民医療費は34.8兆円)

 昨年11月に発表された2008年(平成20年度)の国民医療費は34.8兆円で、国民所得比率は9.9%となった。その医療費を年齢階層別の一人当たりの医療費は、

65才未満が15万8,900円(100%としたら)
65才以上は67万3,400円(423%)
70才以上は76万円(478%)
75才以上は83万円(522%)

後期高齢者は65才未満の一般成人の約5倍の医療費を費やしている。医療報酬改定がなければ医療費の自然増は3%近くで、約1兆円の増加が見込まれる。そこで国会ではその増加する医療費を、負担する世代格差を焦点にして、社会保険方式か税方式(消費税)のいずれで負担するか議論されている。


(制度移行には40年)

 仮に税方式に移行するとすれば40年かかると与謝野馨経済財政相は語っている。現行社会保険方式から新税方式が併存する間、消費税率を徐々に引き上げていく考えとのこと。ギリシャのような一挙に貧しくなる財政破綻を避けるためには、社会保障制度の見直しは必要。現状、社会保障費のすべてを消費税で賄うなら7%プラスで12%となる。しかも、毎年1兆円の国民医療費増に対応するには、消費税1%は2.5兆円とすれば、団塊世代が後期高齢者になる時までにプラス4%で16%が必要になる。この数値は1月に経済同友会が提言した17%に近い。


(待ったなしの決定を)

 民主党への政権交代で、最も医療費がかかる後期高齢者での自己負担を求めた医療制度にノーとした国民には、新しい制度設計の構築を求められている。だが、政府に求めたい、国民が将来の生活のために蓄えてきた金融資産があるから、当面は国債発行で財政赤字を賄えるから大丈夫とする安易な財政運営は、国民のささやかな夢を食い物にしていないか、最後は「国民にゴメンすればいい」との姿勢でよいのかと。



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