8月22日から24日は京都の町内では地蔵盆がおこなわれています。
 この日は地蔵菩薩の縁日で、町内にあるお地蔵様を化粧直しして新しい前垂れをかけたりお供物をしたりします。平安時代から地蔵菩薩は子どもの守り神として信仰され、親より先に亡くなった子どもが賽の河原で苦しんでいるのを救うとされて以来、子どもの加護を祈る習わしとして受け継がれてきたものです。
 又、町内には提灯が飾られますが、「延命地蔵大菩薩」「南無地蔵大菩薩」「天道大日如来」と書かれた3種類の提灯があり、子どもが生まれたときに男子ならば白地の提灯に、女子ならば赤地の提灯に子どもの名前を書いて子どもが大きくなるまで飾ります。
 また、当日は僧侶の読経にあわせて直径が2~3mもある大きな数珠をみんなで回し無病息災を祈りますが、この日ばかりは子どもたちはいろいろと優遇され、お菓子をもらったり、福引きやゲームなどもりだくさんの楽しい行事がおこなわれ、町内はにぎやかな子どもの声であふれます。
 しかしこの地蔵盆は京都や近畿地方、北陸の一部などではよく行われますが、関東や東海などではほとんど見られない行事のようです。私も小さい頃は夏休みの楽しみの一つで、福引も町内の2階からロープを下へ渡し箱(ふいごおろしという)をロープに吊るして景品を下へおくってもらった思い出があります。
 最近ではあまり見うけられませんが、少子化が進み年配の方だけで行われているところもあり、一抹の寂しさもありますが、受け継がれてきた地域の行事の多くには常に感謝と願いそして祈りが込められているように思います。いつまでも守り続けてほしいものです。                    

 業務1課長  源  忠