秋深し、隣は何をする人ぞ!
 この時期となると、京都は秋祭りが各地で行われていますが、そしてもう一つの楽しみは花の便り・貴船の秋名菊や大覚寺の嵯峨菊などが今を盛りと咲き競っています。やがて秋は深まり、晩秋の京都は山も里も紅葉一色に染まります。
 例年この時期は今までに訪れたことのない社寺と花を求めて歴史散歩をしていますが、今年のキーワードは「庭園」ということで先月、東本願寺の飛地境内の名勝・渉成園(通称 枳殻邸・・きこくてい)に行ってきました。
 ここは約10600坪の敷地を有し、大小2つの池と数棟の茶室に加え持仏堂と書院群で構成されています。池泉回遊式の庭園の作庭は洛北・詩仙堂を開いた石川丈山によるもので、1827年(文政10年)ここを訪れた頼山陽は「渉成園記」の中で、園内の主な建物、景物を「十三景」として紹介しました。
 庭園内をめぐると数奇屋造りの茶室や回廊、石橋、などが随所にあってどれも趣きのある造りとなっていて癒される空間が広がっています。又、ここは平安時代の前期、嵯峨天皇の皇子である左大臣源融(みなもとのとおる)の屋敷あとの六条河原院に近く、園内には源融の供養塔もあり往時を偲ばせています。
 そして入園時にいただく案内の“ガイドブック”のりっぱなこと!これだけでも入園料に見合うほど良くできていて「庭」と「花」の二種類から選べるので二人づれで行くのがベストかもしれません。
 庭のない我が家にとって「庭園」は癒される空間の一つですが、皆さんも是非「自分好みの庭園」を探してみてください。
                        

 業務1課長  源   忠