京都の夏の風物詩!!、祇園祭も山や鉾が立ち並び、祇園囃子の音もにぎやかに、いよいよ宵山から山鉾巡行へと前半のハイライトを迎えるころとなってきました。
 祇園祭は別名「はもまつり」とも呼ばれています。梅雨の雨を飲んだ鱧はうまくなると言われていますが、京都の夏の料理には欠かせない食材なのです。
 最近はなかなか宵山や巡行は見る機会がありませんが、ずっーと昔、浴衣に下駄で宵山見物に行ったまでは良かったのですが、気がつけば浴衣は汗でびしよびしよ、おまけに下駄はあちこちで踏まれたのか両方とも先っちょが欠けて見るも無残な姿に・・・。それでも例年この時期になると行ってみたい思いになるのはやはり京都人なのでしょうか。
 祇園祭といえば付き物として各山鉾町では「粽」が売られていますが、昔は巡行の折りに、鉾の上から見物人へ投げられていたのですが、安全の面から今は行っていません。
 そしてその「粽」には「蘇民将来之子孫也」と書かれた護符がついています。八坂神社の神様である牛頭天王がそのむかし、嫁探しの旅に出かけられたとき蘇民将来の家に立ち寄りました。蘇民将来の家は貧しかったのですが、一夜の宿を提供して暖かくもてなしたそうです。牛頭天王は感謝して蘇民将来の子孫には疫病を免れるよう約束をしたという言い伝えが残っています
 裕福な人でもなかなか人のためにと思う人は少ない現代の世相、この話はなにか私たちに問いかけているとは思いませんか。にぎやかな町の風情とはべつに伝統行事の起源に立ち返れば、人としてのあり方を伝えようとしているいにしえびとの思いが伝わってくるように感じるのではないでしょうか。 

 業務1課長  源 忠